LCCスターフライヤーとは?安いのに最高のおもてなしという非常識?

高級感のスターフライヤー
黒い色で包まれた機体で垂直尾翼には白文字で
SFの文字がくっきりと浮かび上がる何ともいえないスマートな印象を受けます。
分類的にはLCC航空会社にはなりますが、
飛行機のエクステリアだけでなくインテリアも白黒で統一する等、
高級感を漂わせる演出もおこなっています。
スターフライヤーの歴史
スターフライヤーの創業は2002年に神戸空港を拠点とすべく「神戸航空株式会社」として創業を開始します。
但し、経営方針を見直した結果、北九州空港をハブ化した方が安定した経営が出来ると判断し、
2003年に北九州に本社を移転。
移転と同時に社名も「株式会社スターフライヤー」に変更しています。
2004年には日本のLCCで初めてエアバスA320-200型を3機リース導入仮契約します。
それに伴っての資本金増額も決めるなど、LCCとしてはかなり滑り出しのいい形でスタートが切れたと行ってもいいでしょう。
2005年に全日空空輸(ANA)との業務提携を行うなどして、
積極的な業務展開を行っています。
2006年に羽田空港の利用許可が国土交通省から認可された事で、
羽田-北九州間の初就航を実現しています。
2007年に入ると、広報活動として、
シブヤ西武でメンズスタイルフェア スターフライヤーコラボレーションを実施しています。
また、本業では、羽田-関西線を就航させています。
しかしこの路線は、業務提携しているANAと路線が被ってしまっています。
2008年には今まで業務として取り込んでこなかった、航空貨物を福山通運と業務提携する事で開始。
2009年業務不審のため経営陣が一新され、
また累積赤字を解消する為に資本金の減額も行うほど、
経営は圧迫されていたようです。LCCには珍しく新造機をレンタルで借りていた訳ですから、
かなりのレンタル料になっていました。そのあおりもかなりあった様です。
2011年には羽田-福岡便を5便に増便するなど、業績回復に乗りだします。
経営再建のなかで東証2部に株式を上場する等して、
経営健全化になりかけた矢先の2012年に新たにLCCが参入したり、
北九州空港と羽田を結ぶ便の料金がスターフライヤーよりもはるかに安い料金設定などを展開され、
経営が悪化していきます。また今まで飛行機をリースしていたのですが、
自社調達に変更した事も経営悪化の要因となっています。
2014年には2度目の経営陣一掃の人事再編で経営の立て直しを図ります。
2017年現在は経営立て直しと業務見直しの結果、黒字経営に戻りつつあります。
スターフライヤーの特徴
スターフライヤーと言ったら先ほども紹介しましたが、
飛行機が黒と白のツートンカラーです。飛行場ではある意味かなり目立ちます。
2006年にはグッドデザイン賞を受賞しているぐらいですからね。
それに、エクステリアだけが特徴でではありません。
インテリアも黒と白でまとめられていてシックな機内と言った感じです。
それにシートは他のLLCとは違って若干ゆとりがある感じです。
またシートは革シートと言う事もあって高級感が漂ってきます。
機内サービスでは無料でコーヒーが飲めるのですが、そのコーヒーのメーカーは
「タリーズコーヒー」を提供しています。
他にもスープのサービスもおこなっていますが、就航先で、スープの種類はどうやら違うようです。
また顧客満足度もNO1に輝くほどサービスやCAさんの笑顔、
グランドスタッフ等の評価も入ってでしょうから、
これは大手にとっては痛い特徴ではないでしょうか。
これは、スターフライヤーの会社自体の方針でもあるホスピタリティ(おもてなし?)
を掲げている事です。
価格が安いから出来ないではなくて、価格が安くても笑顔は作れますよね。
これが、顧客の心を和ませてくれるのです。
それから、顧客が何を欲しているのかを常に考える。
そうする事で、より一層のサービスの提供が出来ると言う事につながっている様です。
これは、他のLCCにはない考え方で大きな特徴と言えるでしょう。
風通しのいい会社なのでしょうか、育児休暇で女性が休むのは、
その会社でも行っていますが、男性が育児休暇を取ると言うのはなかなかできない事です。
でもこのスターフライヤーでは既に5人の男性社員が育児休暇を取得していると言う事です。
働きやすい環境を作るのも会社の使命ですからね。
スターフライヤーを選んでいる理由
どうも、今まで紹介して来たLLC航空会社とは何かが違うと感じるかと思います。
スターフライヤーのキャッチコピーにはこんなのがあります。
「安くてそれなりのサービスと言う常識。安いのに最高のおもてなしと言う非常識。
我々が選んだのは非常識でした。」と言う物です。
これだけ言いきる限りはかなり、社内教育が徹底されて行われていると思っていたほうがいいかもしれません。
口コミでの評判では、キャンセル料の高さで評価が低いようでしたが、
他の口コミ内容は完璧に高評価と行った所です。
話半分としても、それでも高評価とであると言いきれる程です。
「初めてのLCC航空会社で不安でしたが、大手航空会社よりも1万円ほど安くチケットが購入できてその分、
旅先での費用に回せたのがありがたかったです。
サービスも居心地も値段の割には非常によかったです。」
「要望メールを出した時に非常に良い対応を取ってくれました。品質も良くて、サービスも良く、
人に対しても懇切丁寧な対応をしてくれているので、次回もスターフライヤーに乗ります。」
「羽田発の便に乗っていたのですが、グランドスタッフの方の対応も含めて、皆さんの対応が良く快適でした。
座席も革シートで高級感があって、機内サービスのコーヒーが美味しかったです。
CAさんがちょっとした言葉を添えてくれたのが、本当によかったです。」
シート幅や革シートが好評なだけに後はスターフライヤーのスタッフ対応はどうかと思っていましたが、
口コミを見る限りの徹底したホスピタリティを行っています。
他のLCC航空会社からすれば若干割高な料金設定かもしれませんが、
それでも、これだけの高品質なスタッフの対応が出来るのは、
会社の根幹の基本理念の高さが伺えるのではないでしょうか。
もう少し、知名度が上がってくれば、確実に大手も脅かしそうな勢いがありますね。
スターフライヤーは本当にLCC航空会社と言えるのか?
スターフライヤーが他のLCC航空会社とは確実に料金体系に差が生じています。
スターフライヤーは羽田-福岡間を主に飛んでいる航空会社ですが、料金体系では、
大手よりは若干安くLCC航空会社よりは設定が高い状態になっています。
JAL・ANA 4万3190円
スターフライヤー 3万6790円
スカイマーク 2万2190円
ジェットスター 7270円
となっています。
確かに大手から比べるとスターフライヤーは約6000円ほど安くなっています。
しかし、他のLCCよりも値段が高いと言われているスカイマークよりも1万4000円ほど高いです。
ジェットスターと比較した場合には、約2万9000円も高くなってしまいます。
ジェットスターで福岡に行く場合には2往復出来てしまう金額差がスターフライヤーとあると言う事になります。
この差は確かにLCC航空会社としては集客率に問題が出そうですが、
スターフライヤーは他のLCC航空会社よりも高い金額設定の割には、顧客満足度NO1と言う実績があります。
料金が高いからでは?と思われる方もいるとは思いますが、
会社方針であるホスピタリティを全社員が実施していると言う事の結果になっているとも言えます。
大手を使うよりは安いが、サービスは大手に近い物があると言うのが顧客の判断なのではないでしょうか。
スターフライヤーが欠航や遅延率が高いのか?
LCC航空会社の問題点としてあげられる事項の中で注目されるのが、欠航と遅延率と言う所ではないでしょうか?
その中でもスターフライヤーは欠航や遅延率が高いとも言われています。
スターフライヤーの遅延率は11.88% 欠航率は3.21%と言う事です。
この数字を見ただけでは、そんなに遅れてもいないし、欠航していないのでは?
と思われるかもしれません。
遅延率と欠航率には機材操りが関係しているのです。
スターフライヤーが現在保有している機体は9機です。
この9機で1日64便の飛行を行っているのです。
1機で7便を担当する事になります。ここで1便が故障を起こした場合にバックアップ出来る機体がスターフライヤーには現在ありません。
機体修理に入ってしまうと確実に1日7便が欠航してしまう事になります。
また遅延率も同じくバックアップの機体が無い為に、
1機が遅延した場合には、その機が飛ぶ便が全て遅れて離発着を行うようになってしまう為です。
これは、スターフライヤーだけの問題だけではなく、LCC航空会社全体にも言える事なのです。
大手の全日空や日本航空でも欠航や遅延は発生していますが、
余剰機体がある為にすぐにバックアップ出来る体制になっているために、
大きな数字のパーセントにはならないのです。
但し、スターフライヤーの定時運航率は93%を超えているのです。
定時運航率は、出発予定時刻から15分以内に出発した割合です。
平成27年度の定時運航率では大手2社を押えて第1位に輝いているのです。
遅延や欠航さえなければ、大手2社に迫る勢いがある航空会社と言う事が言えます。
スターフライヤーがこの状況化で、機体数とそれに伴う人員の確保が出来れば、
確実に日本航空や全日空の肉薄する事が出来ます。
機内サービスは同等運賃は多少安いと言う事であれば、搭乗者数もかなり伸びて行く事にもなって行きます。
スターフライヤーの過去の事故やトラブル
スターフライヤーと言うとあまりニュースに取りざたされるような事故やトラブルを起こしている印象は少ないのではないでしょうか。
2007年に外国人機長が、航空法で定められている航空従事者技能証明書を携帯し忘れて羽田-関西の2便を運航してしまった事が発覚しています。簡単に言うと免許不携帯と言う事です。
2013年に北九州空港で起きた無許可離陸は、これは重大事故要件にもあげられるものです。
スターフライヤー機側が管制官の無線指示内容を正確に理解できなかったために、結果として管制官の許可なく離陸してしまった事です。
これは、管制官がかなり他の離着陸機に指示を出しているかと思います。もしスターフライヤーが離陸した滑走路に着陸許可をもらっている航空機が降りて来ていた場合には、大惨事と言う事態を招いた可能性もあると言う事です。
スターフライヤーに関して大きなトラブルは、この2点のみとなりますが、小さいもの多少なりともあるとは思います。
ましてスターフライヤーが運航しているエアバスA320と同系の物が、南フランスに墜落しているのです。
エアバスA320は全世界で8000万回以上のフライトをしています。
そのうち重大事故が発生したのが10回と言われています。
2013年に起こした無許可離陸は何の問題もなく離陸できましたが、最悪の事態になっていた可能性もある事だけは忘れないでいてもらいたいものです。
まとめ
スターフライヤーについて紹介してきました。
知名度がやはり低いのがスターフライヤーに取っての難点でしょう。
確かに飛行機に乗る方は知っていると言うでしょうが、飛行機に無縁な方は確実に知りませんからね。
確実に言えるのは、ホスピタリティが徹底されている事です。
やはり多少運賃は高くてもそれなりのサービスを受けられる方が使う側にとってはいいのかもしれません。
他のLCCは安かろう悪かろうと言う一面がどうしても見え隠れしてしまっているので、
運輸業ではありますが、サービス悪ければ運賃がいくら安くても、
使う側にとっては苦痛以外の何物でもありませんからね。